生年月日不明、天堂一也より年上。明治44年生まれ、昭和24年3月30日没享年38歳説もあり。でもそれだと一也より年下になってしまう。(^_^;)夫大森との間に昭和6年頃(推定)、正一を産む。夫は何かしらの政治活動をし、特別高等警察に追われる身に。昭和12年(推定)、夫はタカと正一をほおって出て行く。浅草で居酒屋「なすび」を経営、大家として一也も下宿させる。夫と別れた後、女手一つで息子正一を育てた。前夫で苦労したので、男はこりごりと思っていた。一也が朝倉景清に近づき復讐する姿を見て、心を痛め心配する。朝倉柳子が一也の為に輸血するの姿を見て、感動する。その後、柳子と一也の仲を心配し協力者に。仇の娘に輸血してもらったと悔しがる一也に、命を助けてもらったのだからお礼を言うのが筋と諭す。また、お互いに惹かれ合っているのに、景清への復讐で柳子を諦めようとする一也を心配する。柳子と伊能鳥彦の婚約を知って荒れ、迫る一也に「見損なっちゃいけないよ。あたしゃね、こんなつもりでアンタの世話をして来たわけじゃないんだ。おっかさん思いで寂しがりやのアンタが、可哀想だから」とタンカをきる。
昭和17年の年が明けてすぐ5年ぶりに夫が訪ねて来るが、夫は特別高等警察に追われており、タカは逃げてと怒鳴るが、夫は逮捕され連行されてしまう。景清の死後、今まで勘違いし景清を仇と狙っていたことを後悔する一也に、景清を恨みつづけたことは一也自身が生きて行く助けになったかもしれない、10歳の子供が母の死後、1人で生きて来れたのは景清への復讐心だったのかもしれないと励ます。特殊部隊に入隊する直前の一也から、今まで貯めたお金を託される。一也が生きて帰って来るまで、預かると言うタカ。
昭和18年2月、刑務所にいた夫が心臓麻痺で死亡。そんな頃、タカは柳子に店と一也の部屋の留守を頼み、正一と共に田舎に疎開する。疎開中に、正一は川に落ちて死亡。東京に帰り満州へ行く直前の一也と二人だけで正一のお通夜をする。そして、出発間際の一也と柳子を会わせてあげようと、柳子に連絡をする。その1ヶ月後、一也戦死の悲しい知らせがタカに届いた。
昭和20年戦争が終わると、新橋で「なすび」を再開する。偶然一也の墓で柳子と出会ったタカは、柳子から朝倉圭吾と結婚すると告げられる。タカは一也を失った柳子に幸せになって欲しいと思う。柳子は一也のお墓の守りをタカに頼む。
しかし、昭和23年世間から「夜叉夫人」と呼ばれすっかり変ってしまった柳子と偶然再会し、心を痛める。そして、死んだと思っていた一也が、偶然常連の飛田雄介に連れられて「なすび」に来た。柳子が圭吾と結婚し裏切られた思いになり、すっかり傷心していた一也を暖かく迎える。一也は、「東京中焼け野原で何もかも変ってしまったのに、タカさんだけは昔のままだ」とタカに感謝する。雄介の「飛田組」で働き始める一也。昭和24年、片岡元に乱暴され、家を出て来た柳子の妹朝倉琴子を下宿させる。傷ついた琴子を優しく包み、琴子は笑顔をとり戻し「なすび」で働く。タカが一人の夜、風邪を引いて倒れる。看病する一也。熱にうかされたタカは、自分の生まれ故郷の梅の咲く村へ行こうと、一也を誘う。ほとほと柳子との戦いに嫌気がさした一也は、一緒に行きたいと言い、タカにプロポーズする。始めは男はこりごりと固辞するタカだったが、柳子と対決し、柳子は今でも一也を愛してるのだろうと言うが、「私には華族の娘としての生き方があり、貴方には貴方らしい生き方があるの。貴方は自由なのよ。自由に空を飛べるのよ」との言葉を聞き、一也と結婚する決心をする。
そうして、結婚した二人だったが、やがて柳子達との新たな戦いが始まった。「なすび」周辺の新橋の土地を狙って、「朝倉産業」が乗り出してきた。それでも、タカは「でも、私やっぱり信じたい。あんなに変わってしまったお嬢さんだって、心の奥底は昔の優しいお嬢さんと変わってないって」と、柳子を信じたいと言う。柳子達との戦いですっかり傷ついている一也を、タカは支え優しく励ました。一也が証拠を盗んだおかげで朝倉圭吾が逮捕され、一也が苦しんだ時も、一也の苦しみを半分自分に分けて欲しいと言うタカ。圭吾の保釈金集めに柳子が苦労していた時、店の権利書を出しお金に替え、柳子に渡して欲しいと一也に言う。止める一也に、タカは「あんたが苦しんでる限りは、私だってずっと苦しいんだよ。このままじゃ、どんな田舎行ったって何をしたって、幸せにはなれないんだよ」と哀願する。タカの気持ちに感謝し、権利書を持って雄介から借金をしようとした一也だったが、結局担保なしで雄介はお金を貸してくれた。ある日、偶然一也とタカは正一そっくりの戦災孤児章吾と出会う。親を無くして浮浪児のような暮らしをする子供達を「なすび」に引き取る。そうして、いつか戦災孤児達の為の「鐘のなる丘」を作ることが二人の夢となる。
釈放はされたが、借金だらけの圭吾に代わって片岡元が、「なすび」を買収しようと乗り出してきた。一也の留守中、土地のことで不穏な動きがあるから気をつけろと柳子が言いに来た直後、片岡の手下達が店を荒らし始めた。包丁を付き付けられた身重の柳子をかばって、タカは手下の一人に刺されてしまう。布団に寝かされ医者が来たが、もう手遅れだった。虫の息でタカは柳子のお腹の子を心配する。無事だと知って安心するタカ。
「あんた、ありがとう。あたし、あんたと一緒になってほんとに幸せだった。短い間だったけど、夢みたいだった」と一也に言い残し、「お嬢さん、お嬢さん、うちの人、うちの人、お願いします」と柳子に頼んで息を引取った。昭和24年3月30日のことだった。寛大な優しいタカの死に、多くの人々が涙を流した。特に、柳子はタカの死を契機に今までの行ないを悔い改め、今までの罪を償って行く決心をする。そして、柳子と一也はタカの意志を継ぎ、「鐘の鳴る丘」作りに精進して行く事になる。