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華の嵐 |
愛の嵐 |
夏の嵐 |
主人公の名前 |
朝倉 柳子
(あさくら りゅうこ)
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三枝 ひかる
(さえぐさ ひかる)
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南部 峰子
(なんぶ みねこ)
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三作品一緒の共通性はなし。しかし、「華の嵐」(以後略、「華」)と「夏の嵐」(以後略、「夏」)のヒロインの名前は、「○子」で共通性あり。この時代の身分ある女性(特に華族の女性)の名前には「子」が付く場合が多いので、そのためかもしれない。しかし、「華」の場合、「りゅうこ」を「竜子」でも「龍子」でもなく、(この漢字を当てるとなんかいかめしい女性の印象になってしまうためか?)「柳子」とした所に、柔らかさを感じる。「愛の嵐」(以後略、「愛」)の「ひかる」という名前は、当時としてはモダンな名前だったと推察される。ひかるの父の三枝伝右衛門が当時の地主としては進んだ考えの持ち主だった影響もあるのかもしれないと勝手に推察。
キャストは、「華」と「夏」は華族のおj嬢様を演らせたら右に出る者はいないと思う高木美保、「愛」は田中美佐子。 |
主人公の身分 |
華族朝倉影清男爵の長女 |
山梨の地主三枝伝右衛門の長女 |
軍人華族南部雅春の長女(実は本当の父は教師で峰子誕生前に死亡) |
こちら三作品一緒の共通性は特にないが、強いて言えば特権階級の令嬢(「夏」は実父は違うが峰子は華族令嬢だと信じていた)ということだろうか。「華」と「夏」は華族の娘で基本的に設定は似ている。 |
主人公の性格 |
プライドが高い、優しいが後年は結構嫌な性格に、でも最後に改心。 |
基本的に優しい、正直。少女時代はわがままだったが、他人の為に尽したり耐える女性に・・・。 |
プライドが高い、負けず嫌い、基本的に優しい。後年は嫌な性格。 |
優しい性格というのは、三作品とも同じだと思う。「華」と「夏」は戦後、華族制度が崩壊して惨めな思いを味わったせいか、主人公の性格が嫌な女になっているが、それも思い込んだら一途なせいか?「愛」のひかるは望まぬ相手と結婚したが、夫にひどい目に遭わされても尽し耐えるという性格。でも芯は強い。 |
相手役の名前 |
天堂 一也
(てんどう かずや) |
川端 猛
(かわばた たけし) |
結城 一馬
(ゆうき かずま) |
こちらも三作品の共通性なし。「華」と「夏」は名前に「一」の字が入る。
キャストは三作品とも渡辺裕之、ワイルドな相手役がとても似合う。 |
相手役の身分 |
母は行商人で昔柳子の父の邸の使用人で愛し合っていた。母の死後は大陸に渡り苦労して物産会社の社長に。その後軍隊に入り、スパイに。戦後は、友人の「飛田組」や妻の居酒屋「なすび」を手伝う。 |
捨て子で孤児院を脱走して来た所を伝右衛門に拾われ、三枝家の使用人に。その後、召集され南方に行く。戦後は「川端カンパニー」の経営者に。 |
元刑事の父を持ち、大学生。召集され軍人に。戦後は刑事になる。 |
職業の共通性はないが、主人公が身分ある女性なのに対して、「華」「夏」は華族と平民、「愛」は地主の娘と使用人という具合に身分違い。三作品とも召集されて戦地へ行き、死亡したと周囲に思われるが実は生きていたという設定は同じ。 |
相手役のライバル |
津川 圭吾
(つがわ けいご)
主人公の従兄弟 |
大河原 勇作
(おおがわら ゆうさく)
大河原商会の社長。主人公に横恋慕して、お金と引き換えに結婚。 |
南部 忠彦
(なんぶ ただひこ)
軍人華族。主人公の義理の兄、妹として華族の娘として主人公を大事にするが密かに愛する。 |
三作品とも主人公を深く愛し、時には屈折した行動に出て、主人公を苦しめる。主人公が愛する相手の男性を憎み、永遠のライバルとなる。戦後は、主人公と組んで(「愛」は厳密には違うかもしれないが形式的には)、相手役を痛めつけようとする。でも負けてしまう。「愛」と「華」は主人公との間に子供が出来るが、流産してしまう。
キャストは三作品とも長塚京三。この方もエキセントリックで嫌味だけど、実は小心者で愛する者の心を手に入れようと必死にあがく役を演じさせたら天下一品でしょう。 |
主人公の父 |
朝倉 影清
(あさくら かげきよ)
華族の男爵で会社経営 |
三枝 伝右衛門
(さえぐさ でんえもん)
山梨の地主で、小作人の為に何かと尽くす |
南部 雅春
(なんぶ まさはる)
軍人華族。敗戦後罪には問われなかったが、自ら自決。 |
三作品とも人格者で身分が低い者、弱者の為に尽くす。しかし、時代が悪かったのか三人とも苦しい境遇に追い込まれ、亡くなってしまう。「愛」「夏」は覚悟の自決をする、心残りも多かったと思う。「華」だけが病死だったが、最後に一也と分り合えて心穏やかに永眠出来ただろう。三人の遺品は死後、意志を継ぐ者として主人公の相手役に伝わることになる。「華」「夏」は刀、「愛」は懐中時計だった。
キャストは、影清・・・高松英郎、伝右衛門・・・中尾彬、雅春・・・石浜朗。中尾さんと石浜さんは、悪役を演じることが多いと思うが、昼ドラでは重要な人格者の父親役を好演。 |
主人公の母 |
朝倉 貴久子
(あさくら きくこ)
津川伯爵家出身。「華族の女とそうでない女」にこだわる。一也をひどく嫌う。 |
三枝 絹
(さえぐさ きぬ)
実家は士族の家柄。地主の夫を助ける。長男文彦をかばって猛にはつらくあたることもあったが、後には態度を軟化。 |
南部 まゆ
(なんぶ まゆ)
平民。教師と結婚して峰子を産むが夫に先立たれ、夫の親友の雅春の後妻に。先妻の息子忠彦に馬鹿にされる。 |
三作品の共通性は特になさそうだが、三人とも夫を深く愛しているのは同じ。貴久子と絹は生まれのせいか、気位が高い。しかし、絹の方は、まだからっとしていてあまり嫌味もないのだが、貴久子の方は陰険さを感じてしまうのはオパールの見方のせい?一方、まゆは気位の高さというのはない。戦後、主人公のやり方についていけなくて、批判的なことを言うのは、「華」「夏」ともに共通。
キャストは、貴久子・・・稲垣美穂子、絹・・・江波杏子、まゆ・・・赤座美代子。お三方とも母親役としては定評がある方だと思う。稲垣さんは元華族出身?とも思われる程似合っていた。 |
主人公のライバル?
相手役と結婚する女性 |
大森 タカ
(おおもり たか) |
大河原 秀子
(おおがわら ひでこ) |
キャサリン 洋子
(きゃさりん ようこ)
本名 真弓(まゆみ) |
三人とも主人公の相手役を深く愛するが、実は彼は心の底では主人公を深く愛しているということに、気づいてしまう?性格には共通性がなさそうだが、秀子と洋子はきつめ。タカは欠点のがほとんどない優しい人。タカと洋子は刺されて、不遇の死を遂げてしまう。
キャストは、タカは岩井友見、秀子と洋子は芦川よしみ。岩井さんは、さすが和服の着こなしと踊りは素晴らしかった。芦川さんは、この時期よく昼ドラに出演されていたと思う。 |
主人公の兄弟姉妹 |
朝倉 琴子
(あさくら ことこ)
実妹 |
三枝 文彦
(さえぐさ ふみひこ)
実兄 |
南部 忠彦
(なんぶ ただひこ)
義理の兄 |
ほとんど共通性なし。「愛」「夏」は兄がいるが、「夏」は義理の仲。「華」の琴子は戦前は姉思いだったが、戦後は姉のやり方に反発して対立する。「愛」の文彦はひかるや周囲の者に迷惑をかけ続けるが、最後は改心する。実兄、義理兄の違いはあるが、「愛」「夏」は主人公の相手役を憎み、対立するのは同じ。
キャストは、琴子・・・早瀬優香子、文彦・・・佐藤仁哉、忠彦・・・長塚京三。早瀬さんは本職は歌手。子役で「あばれはっちゃく」にも出演されていた模様。佐藤さんは、ダメダメ男やジゴロ役を演じさせたら右に出る者はいないと思う。オパールは密かにファン。 |
主人公の婚約者 |
伊能 鳥彦
(いのう とりひこ) |
該当者なし |
氏家 直弥
(うじいえ なおや) |
鳥彦は新聞記者、直弥は一馬の後輩で同じ剣道部に籍を置く大学生だが、華族の出身で戦争で死亡してしまうのは同じ。鳥彦は従軍記者として、直弥は召集されて戦地へ。戦地から主人公にラブレターを送るのも同じ。
キャストは、鳥彦・・・並木史朗、直弥・・・辰巳琢郎。お二人とも二枚目で人のいい役が多いのでは?
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