第61話
圭吾は、片岡元に新橋のビルの共同経営の話を持ち込む。まだ、買収出来ていない土地のために、資金を出してくれと言う。元はお金は出すが、お金だけで解決出来るのか、一也はどうするんだと聞く。圭吾は元の力で何とかして欲しいと言う。
「うん、考えてみるよ。まあ、私もあいつには恨みが散々あるからね。それにな、銭の為ならエンヤコラだよ」
と元は言う。
またまた、片岡君に頼んじゃって。(^_^;)元華族の片岡君も、戦後あくどい事をしてお金をためてきたんでしょうか?しかし、圭吾が逮捕されたからっていきなり資金繰りに困るなんて、朝倉家って儲かってたんじゃないの?ケンプトン大佐に賄賂を贈り過ぎて、内情は火の車だったっとか、実は…。(;^_^A
柳子に、圭吾と約束した件、今夜おもしろいことがあると伝えてくれと、元から電話があった。正一そっくりの子章吾の熱も下がり落ち着いて来た、子供達は「なすび」で暮らしていた。
帰宅した圭吾は、柳子に元が共同経営の話に乗った、立ち退きの件も引き受けてくれたと言う。柳子は元からの言付けを伝え、「おもしろいこと」とは何だと聞くが、
「知らんと言ったら、知らんよ。しつこい人だね、あんたも」
と圭吾は冷たく怒鳴る。
「あんた」って、圭吾さん、まるで他人を見るような目で柳子を見てますね。(^_^;)もう柳子に愛情はなくなったんでしょうか?なんかなあ、圭吾もね、一也との勝負に意地になってるのかしら?
タカは、一人で一也から貰った櫛をつけて、鏡に映していた。そこに、柳子が来た。一也は銭湯に行って留守だった。柳子は、自分には何があるかわからないが、土地のことで不穏な動きがあるから、気をつけてくれとタカに言う。タカは、柳子に体を大事にしてくれと言う。お礼を言う柳子。そこに、いきなり暴漢達が押し入って来た。店の備品やら食器やらを壊し、暴れる暴漢達。誰に頼まれたのかと柳子は暴漢達に聞くが、突き飛ばされてしまう。警察に知らせようとする柳子を妨害し、包丁で脅す暴漢達。包丁を付き付けられている柳子を助けようとして、止めに入ったタカは、暴漢に刺されてしまう。タカの頭から、一也に貰った櫛が落ちる。暴漢達はびっくりして慌てて逃げて行く。そこに、一也が帰って来た。タカにすがりついて泣く柳子。
「タカ、タカ、タカーーー」
一也は叫び呼ぶが、タカは答えない。
タカを布団に寝かせて、なかなか来ない医者を琴子が呼びに行こうとして、柳子に気がつき、
「いつまでいる気?ここは貴方のいる場所なんかじゃないわよ」
と言う。そこに、タカはどうしたんだと章吾が入って来た。しつこく聞く章吾に、つい
「うるさい」
と言う一也だったが、雄介に言われて、すまん、大丈夫だから、寝ていろと言う。
「どうして貴方がここにいるんです」
と雄介も柳子に聞く。
「何か起こるって知らせに来た。その矢先にこれだ」
と一也。
「こうなることを知ってたんじゃありませんか?」
と雄介。自分が留守にしなければこんなことには…と後悔する一也。
医者が来たが、もう駄目だと首を横に振る。力なくタカが、柳子を呼ぶ。タカは柳子の手を握り、
「お腹の赤ちゃんはだいじょぶでしたか?」
と虫の息で聞く。大丈夫だと言う柳子に、よかったとタカ。
「あんた、ありがとう。あたし、あんたと一緒になってほんとに幸せだった。短い間だったけど、夢みたいだった」
とタカは、一也に言う。しっかりしてくれ、俺達の夢はどうなるんだと一也。タカは柳子を再び呼び、柳子もタカの手を握り締める。
「お嬢さん、お嬢さん、うちの人、うちの人、お願いします」
それがタカの最後の言葉だった。タカは天に召されてしまった。タカをそっと横たえる一也。
「貴方が死ねばよかったのよ。どうして貴方が生きてるの、どうして。こんな人の為におタカさん死んじゃうなんて、可哀想。どうして、貴方が生きてるの、どうして」
と琴子の容赦ない言葉が、柳子に突き刺さる。一也は怒りを表し、包丁を持って出て行こうとする。それを雄介が止める。
「お前の気持ちはよくわかる。人を殺してどうすんだ」
「行かしてくれよ。俺はこのままじゃ…」
飛び出して行こうとする一也を雄介は殴って止める。
「おタカさんの気持ちを考えてみろ。おタカさん、喜ぶと思ってるのか、ええ、天堂」
と雄介。一也は包丁をテーブルに突き刺し、思い止まる。床に落ちていたタカの櫛を見つけて拾い上げ、すすりなく一也だった。
ううタカさん、可哀想(>_<)。あの暴漢は片岡君が寄越したんですね。せっかく、一也と子供達と一緒に梅の咲く村に行けると思ってたのに。タカさんは本当にいい人だったのに。最後に、一也のことを柳子に頼むなんて…。自分が死んだ後は、一也にはやっぱり柳子しかいないと思ったからでしょうか。安らかに眠って欲しいです(T_T)。それにしても、柳子に対する琴子の言葉は相変わらずきついですね。タカが亡くなったのは、柳子のせいって思うのかもしれないけど、実の姉だし、柳子は今や改心し始めてるんだから、もうちょっと優しくして欲しいと思うのですが、それこそタカさんを見習って…って無理かなあ。(^_^;)タカさんが亡くなって、これからの展開がますます見逃せません。
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第62話
タカが亡くなって、みんな泣いていた。柳子は雨の中を一人悲しみながら、歩いていた。一也は、タカの亡骸に櫛を握らせた。タカは死んだのかと聞く子供達に、死んだのではない天に召されたのだ、みんなを雲の上から見守るためだと言う。
柳子は、また聖ミカエル教会に来ていた。
「神様、貴方はなんて残酷なことをなさるんですか。何故罪もない子羊の命まで奪わなければならないんですか。今貴方が召されたあの人のあの人のどこに一体どんな罪があるって言うんです。答えて下さい、神様。はっきり答えて、何で黙ってるの。貴方の前では人は全て罪を背負っているからだとおっしゃりたいんですか。それは貴方の思いあがりです。それは貴方の傲慢です。神様、貴方はとても大きな過ちを犯されました。その過ちはあまりにも大きすぎます。罰せられるべきは貴方です。いいえ、罰せられなければいけないのは私なんです。己の欲望の為に、多くの人々を苦しめたこの私こそ、貴方に罰せられるべきなんです。お願いお願いです、神様。今すぐ私の命を奪って下さい。その代りその代りあの人の命を返して、お願いお願いだから、今すぐ私の命を私の命を私の命を奪って、お願い、お願い、お願い…」
柳子は一人泣き崩れた。
うう、柳子さんも今までのことを悔やんで、タカさんの死を嘆き悲しんでいますね(T_T)。しかし、身重の体で雨の中を歩いて、体は大丈夫なんでしょうか。
一也はタカの亡骸を前にして言う。
「長い間、ほんとに世話になったな、ありがとうよ。お前という奴がいなかったら、俺はとっくの昔に駄目になっていた。男爵への復讐に狂っていた時も、戦争から帰って荒みきっていた時も、お前がいつも側にいてくれて、俺の心を救ってくれた。そのお前を奪われて、俺は悔しい、許せん。でもな、俺が昔のようにまた復讐の鬼になったら、お前悲しむもんな。俺は耐えるよ、黙って耐える、そしてお前が夢見ていた孤児達の楽園を作ってみせる。章吾達が幸せに暮らせる『鐘のなる丘』を作るんだ。俺はやる、きっとやるぞ。楽しみに待っていてくれな」
「鐘のなる丘」を一也だったら作れる、一也を見守っているというタカの姿や、今までのタカの姿が、一也の目に浮かぶ。
朝倉家にずぶぬれで帰って来た柳子を、何をしていたと問い詰める圭吾だったが、柳子は
「触らないで」
と圭吾の手を振り払う。どうしたんだと聞く圭吾に、柳子はわかっているはずだろう、誰が殺されたかわかるだろうと言うが、圭吾は何の事だと聞く。
「とぼけないで、貴方が片岡と共謀してやったんでしょう」
と柳子。一也がやられたのか、一体何があったのかと聞く圭吾の様子を見て、柳子は知らないのかと聞く。タカが殺されたのだ、
「私のこと助けようとして、私の身代わりに…」
と柳子が言うと、
「片岡だ。そうか、そうか。あいつが夕方電話して言いたかった意味がわかったぞ。今夜おもしろい事がある、今夜おもしろい事があるって言ったあいつ、そうか、そういう事だったか」
と圭吾。
「貴方、本当に関係ないの、信じていいの?」
と柳子は言うが、
「当たり前じゃないか、馬鹿な。私は華族の血を引く朝倉圭吾だぞ。人を殺すような人間に見えるか。妻のあんたが私を人殺しだと言うのか」
と圭吾。
「思いたくないわ、そんなこと。でも、おタカさんあの土地のことで殺されたのよ。責任は貴方にもあるわ、私にも。」
と柳子。今後、あの土地を諦めてもう一度一からやり直してくれと柳子は言うが、出来ない逃げてはいけないと圭吾は答える。
「今くじけたら、今日までやって来たことは一体何になる。ん、華族の誇りを守ると言ったあの誓いは何になる」
「華族の誇り、華族の誇り、そんなものどうだっていいじゃありませんか、もう。人を一人殺しておいて、何が誇りです。そんな物ドブに捨てたほうがましよ」
と柳子。気でも狂ったかと圭吾。
「貴方が、貴方が今まで通りやるっておっしゃるなら、私今夜限り手を引きます」
と柳子。
「人一人殺されたといっても、今まで散々我々に立て付いた天堂の女房じゃないか」
とクックックと狂ったように笑う圭吾。
なんかねー、圭吾さん、酔っ払ってるのか顔が赤いし、与太ってるような感じがします。なんか華族の誇りを守ることに執着しているのか、一也を倒すことに固執してるのか、圭吾さんの方が狂ってる感じがします。いつのまにか、柳子のことも「あんた」って呼んでるしね。末期症状?(^_^;)
「私の気持ちは変わらないわ。もし、これ以上犠牲者が出るなら、私貴方とお別れします」
と柳子。今夜は気が動転している、明日になれば気が変わる、今夜は休もうと柳子の肩に手を乗せる圭吾の手を
「一人にして」
と振り払う柳子。寝室を出て行く圭吾。柳子は、今までのタカの姿を思い出して、ピアノを弾く。
タカに捧げる鎮魂の曲、それは同時に柳子自身の目覚めの曲でもあった。夜叉夫人としての自分がまるで魔法から解かれたように、粉々に砕け散っていくのを、柳子は感じていた。
これで、ようやく柳子さんも目が覚めて、まっとうに生きて行こうとするのでしょうか。今までにも何回もあったけど、ピアノで柳子の気持ちを表す場面はいい演出だなあって思います。
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第63話
タカを殺した暴漢は、まだ捕まらなかった。飛田組の若い衆は、片岡元の手下だとわかってると言う。そんな折、元が逮捕された。
その頃、一也は孤児達と一緒に暮らしていた。元が逮捕されたと、雄介が一也に知らせた。土地の件もカタがつくだろうと雄介。雄介は一也にずっと飛田組にいて欲しいと言うが、一也はタカの夢だった孤児達の楽園を作りたいと言う。東京でも孤児院は出来るじゃないかと雄介は言うが、タカとの約束を果たす為、東京を離れると一也は言う。でも、雄介への借金を返すまでは、飛田組にいると一也。
タカの初七日に出かけようとする柳子に、自分の分までお参りをして来てくれと貴久子は言う。
「おタカさんは、私の命を救い、人としての生き方を教えて下さった方。一生かけてご供養させて頂くつもりでいます」
と柳子。貴久子は圭吾とのことを聞くが、柳子はもう圭吾の生き方にはついて行けないと言う。
「私のお腹に、朝倉家の大切な後継ぎがいることももちろん承知しています。でも、もう自分の気持ちをどうすることも出来ないんです」
「そんなにお嫌で」
「間違っているでしょうか?」
「貴方、責任を持てるのなら、私は何も申しません。思うようにおやりなさい。自分の信じた道を迷わずにいきぬく事、そして責任は取る。それが人間の誇りではないでしょうか」
「ありがとう、お母様」
圭吾と別れる決心は堅いようですね、柳子さん。貴久子さんも昔なら、絶対に離婚なんて許さないって言ったと思うのですが、柳子に責任を持って信じた道を行けと言うなんて、随分変わりましたね。前から、この位物分りがよかったら、苦労しなかったのにね、柳子さん。と今更言っても遅いですが。(^_^;)
柳子が出かけようとしていた時、圭吾が吉報だと言って帰って来た。元が逮捕されたので、新橋の土地は自分達の物になると圭吾は喜ぶが、柳子はまだあの土地の買収を続けるのかと聞く。圭吾がどうしても続けるなら、別れると言ったではないかそれでいいのかと柳子。その話は改めてしようと言う圭吾を振り払って、柳子はタカの初七日に出掛けて行く。
タカの墓にお参りする柳子は、一也をお願いしますというタカの最後の言葉を思い出していた。
「おタカさん、あれはどういう意味だったんです?おタカさんはあの時、何がおっしゃりたかったんですか?今の私が天堂さんに何をして差し上げられるでしょう。教えて下さい、おタカさん、おタカさん」
そこへ一也が来た。お墓参りに来てくれてありがとうと礼を言う一也。
「お礼を言わなければならないのは、私の方ですわ。天堂さん、私やっと人間らしい心を取り戻すことが出来ました。全て、おタカさんのお陰です。でも大きすぎます、人一人の命を犠牲にするなんて。私のような愚かな者には、とても償いようがありません。教えて下さい、天堂さん、私はどうしたら償う事が出来るでしょう」
「タカは、君に優しい心を取り戻して欲しいと願って死んでいった。そして、今君はそれを取り戻した、昔の朝倉柳子を。それで充分タカは報われたはずだ。これからは、お腹の中の赤ちゃんをりっぱに育て亡き男爵の跡を継いで欲しい。それがタカの一番の供養になるんだから」
と一也。ありがとうとお礼を言う柳子。
圭吾はまだ新橋の土地を買収しようとしていたが、そこに元が訪ねて来た。元は証拠不十分で釈放されていた。元は共同経営の話はなかったことにしたい、それから貸したお金の代りに新橋の土地は全て自分の物になると、柳子と圭吾に言う。書類を見て、はめられたと知った圭吾だったが、元はちゃんと法に乗っ取ったビジネスだと言う。
「貴方、負けを認めましょう。今更どうあがいたって勝ち目はありません」
と柳子。
「さすが、奥方、物分りがいい」
「片岡様は、法の裏も表も自由に扱う方。人を殺させても、こうして大手を振っていられるんですものね」
と柳子。柳子は、新橋の土地を渡して全てを捨てて、一からやり直そうと圭吾に言う。元は、書類は三日後に取りにくるから、印鑑を押しておけと言い帰る。
片岡君を利用しようとして、逆に手玉に取られてしまいましたね、圭吾さん。片岡君はそんなに甘くなかった?(;^_^A
自分を見つめる柳子を前にして、
「どうして、そんな目で私を見る。私を憐れんでるのか、私を蔑んでるのか」
と圭吾は怒るが、冷静になってくれ、新橋の土地が無くなっても屋敷は残っている、家族は暮らしていけると柳子は言う。しかし、圭吾は屋敷を抵当に入れてお金を作ると言う。冷静になってくれと止める柳子を振り切って、出て行こうとする圭吾。
「これほど申し上げても駄目なら、お別れするしかありませんね。貴方の生き方に、もうついていけないんです。お別れしましょう」
と柳子。圭吾は、登記書を置いて言う。
「君はこの私が信じられないんだね。そうか、そういうことか。私が朝倉家の名誉を守り抜く為にしていることが、君がそんなに信じられないんだね」
「違います、貴方…」
「もういい」
と大きな声を上げて出て行く圭吾。
圭吾さんも意固地になってるのかしら?(^_^;)いい加減諦めなさいって、引き際も大事ですよん。
元が用心棒を連れて、「なすび」に来た。元はお香典を納めてくれてと持って来たが、ふざけるなと振り払う一也。元は一也を自分の会社の重役に迎えると言うが、断る一也。元は一也達はしぶとい、でも内心敬服していると言う。
「でもね、人間の忍耐には限度というものがある。うん、私もね、年のせいで少々気が短くなってね。そのことだけは、よおく覚えていてくれたまえ」
と元は言い捨て出て行く。元の用心棒が、一升瓶のお酒を二瓶床に落とし壊してから去って行った。
人の店のお酒を勝手に駄目にするなぁ、コラァー。(^_^;)あの用心棒は、一也を嚇してるつもりなんでしょうね?(¬з¬)柳子が改心したと思ったら、今度は片岡君が一也の敵?なかなか落ち着きませんね、一也君ファイト一発!←ずーっと昔のCMです。渡辺裕之さんが出てました。(^^♪
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第64話
片岡の謀略で、新橋の土地全てを失った圭吾は、朝倉産業再建の為、狂ったように奔走した。そして、彼はついに次の事業を起こすべく一大決心をしていた。
圭吾は華族会館建設の目的で、元華族の人々から寄付を募って集めていた。その計画を不審に思う柳子。
「新しい事業って一体なんですの?」
と問い詰める柳子だったが、朝倉産業から手を引いた柳子には関係ないと突っぱねる圭吾。
「とにかく、私はどんな手を使っても金を掴んでみせる。そして、私一人の力で朝倉家を再興してみせる」
と圭吾。
あのー大丈夫なんでしょうか、圭吾さん、ほんとに?(¬з¬) なんか危ないなあ。(^_^;)
一也は子供達と一緒に暮らし、勉強を教えてやっていた。元の手下が「なすび」に押しかけて来て、嫌がらせを始めた。
「俺はケンカはせん、黙って見ていろよ」
一也は元の手下達に殴られても、手出しをせずに黙って殴られていた。
「俺は負けんぞ、お前等の暴力に負けてたまるか。絶対に立ち退かんからな」
と言う一也の肩を踏みつける手下の一人。手下達が帰った後、何でやっつけなかったんだと言う子供の一人英次に、
「人間はな、ケンカしちゃいけないんだ。動物じゃないんだ、暴力で戦ったりしちゃいけないんだ、覚えておけよ」
と言う一也。一也の手当てに雄介と琴子が来た。どうして、そこまで我慢していたんだと雄介は聞くが、一也はケンカはやめたと言う。ケンカじゃない、元側が一方的に暴力を振るったんじゃないか、どうして戦わないんだと雄介は言う。
「あいつらが暴力で町を支配しようとするのが、許せんのだ」
「だからよ、どうして」
「憎しみあって、力と力で戦っても何も解決はしないって、タカが命投げ出して教えてくれたじゃないか。だから、俺は誰がどんな手を使ってきても、二度とケンカはしない」
と一也。何かあったら連絡してくれと雄介、琴子が残ると言ったが、子供達は自分達が面倒を見るからいいと言う。
一也の言いたいことはわかるんですが、片岡君側は卑怯ですからね。そんな正論言っても通らないですしね。それより一也の体の方が心配です。(>_<)
一也の気持ちがわかるかと琴子に聞く雄介。琴子は何となくわかると言う。雄介は神様じゃないんだから、いまいちわからないと言う。
「亡くなった父がよく言ってましたわ。暴力は人間のプライドを汚す最悪の行為だって」 と琴子。
「うん、耳が痛てぇな」
「だったら、親方も暴力はお止めなさい」
「あそこまでやられて、我慢が出来るもんかい」
「私の為でも?天堂さんは、おタカさんの為を思って我慢したのよ。親方も私の為を思って我慢すべきだわ」
「琴ちゃんの為にか。まいったな。よおし、今日から神様になるか」
と雄介。
琴子さんも言ってくれますね(^_^;)。それを聞いちゃう雄介も、琴子にメロメロ?(^_^;)
柳子は、家に弁護士の深沢を呼び出していた。圭吾は華族の伝統を守る為の会館を建てるという表向きで、お金を集めているという。しかし、それは実際には不可能だ、新橋の土地を取り戻したくて、圭吾はお金を集めたくて、焦っていると弁護士は言う。それでは詐欺ではないかと柳子は言う。弁護士も注意したが、自信があると言いながら、具体的なプランは教えてくれないと言う。
「一日も早く、奥様のお力でこれを中止させなければ、先頃起こった光クラブと同じ結果になるような気がしましてね」
と弁護士。わかったと柳子。
また、「なすび」に元の手下が来た。好きにしろと一也。一也を思いきり殴り、家の中を滅茶苦茶にする手下達。タカの仏壇を壊されて、章吾が手下に噛みついた。章吾を助けようとして、歯向かおうとする一也だったが、
「おじちゃん」
と章吾が一也の足にしがみついたので、一也は思い止まった。またやられて怪我をする一也。雄介と飛田組の若い衆が来た。若い衆は元の所へ行こうとするが、一也は止める。章吾は、自分のせいで一也がやられたと思い泣く。
「泣くんじゃねえ、このおじさんはな、身をもってお前達に教えてるんだ。頭の中にしっかりと入れておくんだぞ」
と雄介。でも、このままでは、一也は殺されてしまうと子供達は泣くが、
「泣くんじゃねえ、あとは俺に任せろ」
と何かを決意したように、雄介は言う。雄介はつまらないことはするなと、若い衆に厳命する。朝まで「なすび」にいると言う琴子を残して、雄介は事務所に戻る。
雄介は背広に着替え、元の所に出かけて行った。お前は誰だと、雄介に聞く元。
「天堂の相棒、飛田雄介だ」
「何の用だ」
「天堂を可愛がってくれて、心から礼を言うぜ。これからは、この俺が相手だ。土地が欲しけりゃ、俺の若い者100人を叩き殺すことだな」
「100人?」
「どうだやるか?手を引くか?」
とそこに、手下が入って来た。元はピストルを出して、雄介につき付ける。
「天はいつの世も強い者の味方をするもんだよ。貴様等こそ手を引くか?手を引けば許してやる。さもなくば、貴様、一巻の終わりだ。虫ケラだって命は惜しいだろう?十数える間に返事しろ、いいか、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ…」
ひぇー、片岡君って結構狂暴だったんですね。まるでヤクザというか、ギャングみたいです(^_^;)。雄介さん、危ない!だいじょーぶでしょうか。(;^_^A
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第65話
「六つ、七つ、八つ、九つ」
片岡元の声が響く。その時雄介が元に飛びかかって、二人は格闘になり、銃声が響いた。
「馬鹿が…」
元は、撃たれた。手下が雄介に向かって来たが、雄介はピストルを持っていた。
あちゃー、びっくり!やばいですよん、雄介さん。(;^_^A しかし、最初は雄介の方が殺られたと思ちゃいました。
雄介は自分で警察に電話して、元が死んだ事を伝えた。パトカーのサイレンの音を聞く琴子。一晩中気を失っていた一也が気がついた。飛田組に帰る琴子に、一也はみんなに自分のことは心配するなと、伝えてくれと言う。子供達は、自分達が一也の世話をするから、一也はゆっくりしてくれと言う。よおし甘えるかなと一也。
飛田組では、雄介がいなくて困っていた。金庫の中まできっちりと整理されているのを見て、若い衆達は不審に思う。琴子が帰って来て、雄介の時計があるのを見つけた。警察から、雄介が元を殺したと電話がかかって来た。
「嘘、嘘よ、嘘」
と叫ぶ琴子。雄介が元を殺したと知って、一也も警察へ行こうとするが、力なく倒れる。
警察の取り調べで、雄介は正当防衛を主張するが、無抵抗の元を雄介が至近距離から撃ち殺したと目撃者は言っていると、刑事は言う。雄介は自分は嘘をついていない、だったら自分から自首なんかしないと言う。目撃者の元の手下達がなかなか本当のことを言わないので、しめあげてやると、飛田組の若い衆は言うが、一也は止める。一也は弁護士に頼んで、雄介の正当防衛を証明し無罪にするから、俺に任せてくれと言う。ここで騒ぎを起こしたら、雄介の不利になる、今やらなきゃいけないのは、多摩川の工事をやり遂げることだと一也は続けて言う。わかったと仕事に行く若い衆達。
そこに柳子が訪ねて来た。元のことを聞いたと言う柳子。雄介が人殺しをするはずがない、天罰が下ったんだと言う柳子と一也。柳子は、雄介の為に弁護士を紹介すると言う。そこに、琴子が帰って来た。柳子が雄介の為に弁護士を紹介することになったと、一也は琴子に言うが、どうしてという琴子。
「お役に立てることがあれば、何でもしたいの。私、もう夜叉夫人ではないつもりよ」
「そうだぞ、琴ちゃん、柳子さんはな、もう昔通りのお姉さんだ。わかってあげろよ、姉さんの気持ち、姉妹じゃないか」
「遅いわよ、遅すぎるわよ、何よ今頃」
柳子は琴子の肩に手を置き、ごめんなさいと謝る。
「私ね、皆さんのお陰でやっと目が覚めたの。信じてくれる?」
と柳子。琴子は、柳子に抱き付く。
よかったですね(T_T)。やっと姉妹が仲直り出来て。琴子も結構ズケズケと柳子に言うのでハラハラしてましたが。(^_^;)
その頃、圭吾は弁護士の訪問は受けていた。逮捕されると弁護士は警告するが、圭吾は華族会館を建てる為という名目がある、詐欺ではないとうそぶく。警察ではそれでは通用しない、今保釈中の圭吾がまた再逮捕されたらお終いだと言う弁護士に、
「今更、引き下がっても同じ事だ。私は最初から一か八かの大博打に出てるんだよ。私はやるぞ、この朝倉圭吾、自分の命に懸けても最後までやり抜くぞ」
と興奮して言う圭吾。もう何も言わないと弁護士は、帰って行く。
仏壇のタカに、手を合わせる柳子と琴子。その二人の姿を見てきっとタカも喜んでいると、一也は言う。いきなり柳子はめまいを起こした。心配した一也と子供達の一人英次が柳子を送って行くと言う。
景清の仏前で、圭吾は呟く。
「男爵、私は追い詰められた。何故?私のして来た事が間違っていたから?この朝倉の栄光を守る為に私がして来た事が、全て間違っていたから?」
圭吾は、日本刀を取り
「この光、この美しさ、貴方から受け継いだこの輝きを錆びつかせまいとして、私のして来た事が全て間違っていたんですか?世間は誰も私の事を認めようとしない。いいや、世間などどうでもよろしい。柳子が柳子までが私を弾劾するのです。何故何故なんですか、男爵。もしも、私が間違っているのなら、この場で私を切り捨てて下さい。今すぐここで私の首をはねて下さい」
と言う。
圭吾さんもだいぶ追い詰められているようですね。意地になっているのは柳子のせい?圭吾は圭吾で偉大な景清にコンプレックスを持っていたのかも、自分の代で朝倉家を没落させてはなるものかと。
一也と英次に送られて柳子が帰って来た。圭吾は、今まで柳子と何をしていたと、激怒して一也に聞く。必死に止める柳子だったが、圭吾が振り払った為に、柳子は階段から転げ落ちてしまう。すかさず、柳子に走りよって助け起こす一也を押しのけ、圭吾は柳子を抱き抱え必死で柳子の名前を呼ぶ。
「赤ちゃん、赤ちゃん…」
柳子の意識が薄らいで行く。
柳子さん、大丈夫でしょうか?(>_<)流産しちゃうのかな?しかし、妊婦さんなんだから、あまり高いヒール履くのは止めた方がいいなんて、密かに思ったりして(^_^;)。
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