第41話
昭和23年12月、柳子に運命の扉が開かれた。死んだはずの天堂一也が帰ってきたのだ。
キャバレーで飛田雄介と一也は知り合い、二人はいろいろな話をする。雄介は久し振りに骨のある奴に出会ったと言う。
「復員してきたばかりの奴は人殺しに慣れちまって、感情のない目してるもんだが、お前さんは違う。ギラギラと鬼火みたいなものが光っていて、正直言ってゾッとしたぜ」
と雄介。暴れて気持ちが収まったか、何があったか知らないけど、一日も早く忘れろと雄介は言う。戦争で心に傷を受けなかった者は一人もいない。生き残ったからには日本を復興させないと死んだ者に申し訳が立たないと雄介は言う。雄介は土建屋をやっていた。
雄介に連れて行かれて行った店は偶然にも、タカの経営する「なすび」だった。再会するタカと一也。タカはよかったと涙ながらに一也に抱き付く。
一方、柳子は圭吾に一也のことを考えていたのかと聞かれて、
「いいえ、私は過去のことに何の関心もありませんわ。五年後、十年後の私達のことを考えていたんです」
これからは強い者だけが生き残る時代だ、自分たちも勝って勝ち残ろうと柳子は言う。
一也、タカ、雄介の三人は戦争の悲惨さをしみじみと語る。雄介は戦争で妻子をなくしていた。
「東京中焼け野原で何もかも変ってしまったのに、タカさんだけは昔のままだ」
と一也。タカは柳子に会ったのかと聞く。柳子も一也を待っていたんだと言うが、もういいと遮る一也。
天堂が生きていた、大きな喜びと悲しみが柳子の中で激しく渦巻いていた。何故、何故、何故…。
その頃、一也は柳子と二人だけの結婚式を挙げた聖ミカエル教会に来ていた。教会も空襲を受け、廃墟のようになっていた。床に落ちて壊れかけたマリア像を拾い、柳子との結婚式を思い出すと改めて激しい怒りが込み上がってきて、思わずマリア像を叩きつけようとする一也だが、死に際の景清の言葉が思い浮かび、辛うじて思いとどまる。
「これからは、人を愛することで生きなさい。愛することで、愛することで…」
「愛することか…」
一也は自問する。
教会で一晩を過ごした一也。そこに柳子が現れた。
「人は時の流れに逆らって生きてはゆけません。貴方が五年前の貴方ではないように、私も昔の私ではありません」
「俺は何も変っちゃいない。たった五年で全ては過去のことだと言いたいか」
「たった五年?貴方の戦死公報を受け取った日からは、まるで真っ暗闇の中にいるようなつらくて悲しい時間でした」
「なぜ待たなかったんだ、あれほど約束したのに」
「待ちました、待てる限りはずっと。でも何を頼りに死んだ人を待ち続けることが出来るでしょう。生きていたなら何故?何故手紙一本くれなかったんです。生きていると一言だけでも」
「シベリアじゃあ、豚のように生きて来た。生きるだけで精一杯だった。手紙なんて…」
「運命なのですね、これが私達の」
「運命か、そう思う以外に道はないのか…。しかし、俺は」
「おっしゃらないで、私は朝倉圭吾の妻になることを選びました。もう後戻りは出来ません。ここでの約束も二人だけの結婚式も、全ては過ぎ去った遠い昔のことです。これからは貴方のことは忘れて、自分の選んだ道を生きて行きます。それが私達の運命なのです、悲しいけれど」
とお辞儀をして去って行く柳子。
うーん、運命の一言だけで踏ん切りがつくのかなあ。一也としては、死ぬような思いをして帰ってきたのに、何で待っていてくれなかったんだよぉぉぉーーって気持ちだと思うのですが、柳子にしてみたら、待って待ちつづけて、違う道を選んだのに今になって、嗚呼運命のいたずら?ってところなんでしょうか。今更後戻りは出来ないのかなあ本当に?圭吾を愛して結婚したわけではないと思うんだけど。いまいち、オパールは理解出来ないのは、そもそも柳子は圭吾と結婚する必要があったの?ってことです。朝倉家を再建するってことなら、何も圭吾と結婚しなくても圭吾に協力して出来たのでは?結婚したのは貴久子を安心させるため?それともやっぱり誰か頼りに出来る男性が欲しかったから?そういう女心もわからなくはないんですが…。しかし、本当これからどうなるのでしょうね。
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第42話
進駐軍のコネを使って、建築の方にも事業の手を伸ばす圭吾と柳子。一也は雄介を訪ね、雄介の早く日本を復興させたいって気持ちと人柄に共感し、雄介の所で働くことになった。
「夢ってのはいい言葉だ、もう随分と長い間忘れていたが、あんたの話を聞いててそいつを一緒に追いかけてみたくなった」
と一也。
雄介と出かけた将校クラブで、一也は偶然柳子に出会う。雄介から柳子が「夜叉夫人」と呼ばれていると聞かされる一也。圭吾と柳子が今度の仕事のライバルだと聞かされ、
「親方の敵は俺の敵、俺はもう親方の仲間入りをしたんだぜ」
と一也は言う。一也がなぜ雄介と一緒にいるのか、不審に思う圭吾と柳子だったが、そこに圭吾達のせいで会社を倒産させられた佐野が殴りこんできた。
「おだまりなさい」
と佐野の頬をひっぱたく柳子。何が元華族だ柳子達は人間の屑だと騒ぎ殺してやるとナイフを出した佐野を取り押さえようと一也は動きかけたが、柳子達の用心棒の杉山が出てきて佐野の腕の骨をおる。
ん?あの佐野って人、ずっと前に、華族のくせして、柳子が当たり屋だと言って馬鹿にした人では?見事に仕返しされたようですね。(^_^;)
「噂以上の夜叉ぶりだ。えらいのを敵に回すことになるな」
と雄介。雄介と一也は、フェアな入札をするようにケンプトン大佐に談判に行くが、様子がおかしいと感じる。
タカは再び下宿するように一也に言う。だが、一也はもう少し一人でいたい、これからの生きる道を考えてみたい、それが掴めるまでは、これ以上人の気持ちに甘えたくないと言う。
ケンプトン大佐達をディナーに招待した柳子と圭吾。柳子達のような日本の貴族と知り合いになれてよかった、信頼すると言うケンプトンに、朝倉家は、室町時代から続く家柄だと自慢する貴久子。
「Oh, great!」
と頷くケンプトン。
あのー、室町時代なんてアメリカ人のケンプトンにわかるんでしょうか?ケンプトンもちゃんとわかってるのか、ただ調子を合わせてるだけなのか、「Great!」なんて言っちゃって、調子のいい人。(^_^;)
雄介から、圭吾と柳子が汚い手を使ってると一也は聞く。柳子との関係を雄介に聞かれた一也だが、そのうちに話すと言う。雄介が帰ってから、タカは本当に柳子達と遣り合うのかと聞く。柳子の夜叉ぶりを見た一也は、どうしてあんな風に変ってしまったのか、知りたいとタカに言う。一也のつらい気持ちを思うタカ。
柳子と圭吾、貴久子は、琴子にお見合いを薦める。琴子は嫌がる。柳子達の仕事の道具になるのは嫌だと琴子。そんな琴子を見て、貴久子は柳子と琴子はこの世で二人だけの姉妹なのだから、仲良くして欲しいと琴子に言う。素直に
「はい」
と言う琴子だが、お見合いだけはしないと言う。
ケンプトン大佐の工作が失敗して、公開入札になった。それを一也のせいだと言う圭吾と柳子。仕事の邪魔はさせないと必死になる柳子と圭吾。またお金がいると言う圭吾に、
「片岡様にお願いしてみましょう」
と、柳子は今や銀行筋の影の実力者になっている片岡元に頼ろうとする。しかし、圭吾は計算高い元に頼ってうまくいくかどうか心配するが、柳子は一也に負けるわけにはいかない、自分に任せて欲しいと言う。
「戦いましょう、貴方、これからも心を一つにして」
と柳子。
また、片岡君なんかに頼っていいのでしょうか、柳子さん。( ̄0 ̄;それにしても、自分に気がある片岡君を利用しようとするなんて、悪女?(^_^;)しかし、雄介が柳子達の商売敵なんて、ちょっと都合よすぎ?(^_^;)でもそこが昼ドラたる所以ですかね。
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第43話
タカは、また下宿しないかと一也を誘う。ご飯だけでも食べに来ると一也。そんな所に、柳子が訪ねて来た。柳子は一也に進駐軍のアパート建設工事の見積書を譲って欲しいと頼む。
「本気で言ってるのか?」
「本気です」
お金を渡すから、仲間を売れと言わんばかりの柳子に一也は、
「どうしてそんなになってしまったんだ?」
と嘆く。夜叉夫人と呼ばれているやり方だと言う。
「何故、何故そんなに金にこだわる?何故だ」
「ご想像にお任せします。ただ、私はもう二度と貧しくはなりません。貧しさは人の心まで貧しくしてしまいます。私は私達華族は誇りを持って生きて行きたいのです」
「誇りか、弱い者いじめをして金の亡者になって、何が誇りだ」
「天堂様、お願いです。見積書を譲って下さい」
「全くの別人だってことがわかったよ。俺の愛した柳子はあんたとは違う柳子だ」
一也は景清に教わった知識の全てを使って、飛田組の味方をすると言う。
「わかりました。では、貴方は今日から私の敵よ。ごきげんよう」
と出て行く柳子。
かつて、火よりも熱く激しく愛し合った男と女。その二人が何故かくも激しく対立しなければならないのか。柳子の中に華の嵐が吹き荒れていた。
うーん、本当ですね。徹底的に敵対してしまいましたね、二人は。貧しさは人の心までも貧しくすると言う柳子の気持ちもわからなくはないですが、お金のために何でもするって姿も極端すぎる。なんで、一也に雄介を裏切れみたいなことを言いに行くかなあ。それって誇り高いこと?でしょうかね。
帰宅した柳子に首尾を聞く圭吾。自分から柳子を奪った圭吾を一也は憎んでいると言う。柳子に、一也に会って平気なのか、つらく苦しくないのかと圭吾は聞く。そんな圭吾をはぐらかして、元に会いに行くと言う柳子。
「私、あの方には自信ありますの。きっと力を貸してくれますわ」
柳子は、かつて乱暴されかかった同じ料亭で元に会い、進駐軍アパート建設工事の仕事が欲しいと、頼む。
「同じ料亭というのは、どういう謎かけかな、うん」
と鼻の下をのばす元。まずはビジネスの話をさせてくれと柳子は、入札に参加する会社をお金で言うことをきかせようとする。二百万で、何の抵当もなしでかと聞く元に、
「私を含む朝倉産業全部では?」
と柳子。
「出来れば、手付が欲しい」
と元、柳子の後ろ盾になるからとしつこく迫る元に、
「今日はお許しを、これでも夫のある身でございます。これでも心の支度も必要でございますわ。この通り」
と軽くあしらう柳子。惚れた弱みの元はひくが、だが次はいいねと聞く。
「はい。」
と柳子。
すっかり、柳子のペースですね。なんかしたたか過ぎる柳子さん。(^_^;)かつてとは、立場が逆転してる気がします。しっかし、片岡君も懲りない奴ですね。┐(
-"-)┌
圭吾は、元を利用するのはもうこれっきりにしようと言う。飢えた狼みたいな男に柳子を晒すのは、嫌だと。しかし、柳子は
「片岡なんて、いかようにもあしらってごらんにいれます」
と言う。
「君は本当に強い女だね」
「お父様の血をひいておりますもの」
あのー、そんなに自信たっぷりでうまく行くんでしょうか・・・。あんまり人を甘く見ると痛い目を見ますよ、柳子さん。なんて、マジに思ってしまうオパールであった。(^_^;)
そんな柳子に、毛皮をプレゼントをする圭吾。
飛田組は火の車だったが、大晦日に雄介は従業員達にお金を配る。柳子達が手を回したおかげで、入札参加会社がどんどんと降りてしまう。そして、公開入札が中止され、請負は朝倉産業の手に渡る。雄介はケンプトン大佐に怒りをぶつけるが、仕方なく引き下がる。柳子達を必ず叩き潰すと雄介は決心する。今度の多摩川堤防工事の入札には勝って、借りは返すと言う雄介。色仕掛けでアメリカ軍人を手玉に取る柳子を非難する雄介に、一也は昔はそんな女じゃなかった、心が美しい誇り高い女だったと言う。一也と柳子の関係を聞かせて欲しいと言う雄介に、一也は結婚するつもりだったが軍隊に引っ張られて、帰ってきたらああいう有様になっていたと説明する。一也の気持ちを察して、仕事から外れてもいいと雄介は言うが、一也はぜひやらせて欲しいと言う。柳子達は狂っている、叩き潰して目を覚まさせたいと言う。
「俺は俺の手で、あいつを昔通りの女に戻してやりたいんだ」
「おめーも優しいんだな」
その頃、柳子はケンプトンを招いてパーティ?を開いていた。
しかし、よくパーティをやってますね。(^_^;)あの大佐も一也たちには、英語で「さっさと失せろ。」とかひどい言葉ばかり投げつけるけど、柳子達にはちゃんと日本語でお世辞?言ってるじゃない。調子のいい。(^_^;)
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第44話
柳子に子供はまだかと、聞く貴久子。琴子にも、柳子達が薦める縁談がどうして気にいらないのかと聞くが、琴子は柳子達の仕事に利用されたくないと言う。そんな琴子に仕事に利用するつもりはないが、例えそうでも少しは協力してくれてもいいんじゃないかと言う柳子。琴子は、自分まで「夜叉夫人」と呼ばせたいのか、世間で柳子が「夜叉夫人」と呼ばれているとことを貴久子が知ったらどう思うか、柳子達の仕事のやり方で、朝倉家の豊さが保たれていることを知ったら、貴久子がどう思うかと反発する。よけいなことを貴久子に話したら、許さないと柳子は言う。
「私が何と言われようと、必死に働きお金を得ようとしているのは、昔のような朝倉家を取り戻すためです」
「わからないわ、お姉様の生き方。お金を持つことと誇りを持つことは別のことなのよ。」
「貴方に何がわかるというの。お金を手に入れることは命がけのことなのよ。貴方に何が出来ますか、命がけで働いたことがありますか」
琴子はじゃあ働かせてくれ、自分が社会に出ると柳子達がやってることがわかるので怖いのではないかと言う。琴子がそこまで言うなら、仕事をあげようと柳子は言う。そして、琴子にお金を片岡元に届けさせる。
あのー、それはちょっと危険じゃないですか?(^_^;)。いくら売り言葉に買い言葉でも、実の妹をそんな使いを頼むなんて、ちょっとまずいんではないんですか、柳子さん。(^_^;)
料亭で、元に会いお金を渡した琴子はさっさと帰ろうとするが、元に引き止められる。琴子の帰りが遅いのを、柳子は心配するが、圭吾はいくら元でも琴子までには手を出すまいと言う。
その頃、琴子は元に襲われかかっていた。元に柳子の身代わりだ、約束を果たしてもらうと言われるが、琴子は必死に抵抗して、火鉢の引っかき棒を手に取り、
「辱められる位なら死にます」
と言う。焦った元は冗談だ、本気ではないと言う。
心配でやっぱり琴子を迎えに行くと言う柳子を、圭吾は止める。
「片岡が野心を持っているのは、琴ちゃんじゃなくて君だ。何も変なことは起きるはずがない。それに片岡だって、華族だ。その位のプライドは持ってるはずだよ」
でも、それが持っていないんだよねぇ。(^_^;)いいかげん片岡君の性格を把握しましょう、圭吾さん。
でも、遅すぎると重ねて言う柳子に、今は元から少しでも多くの力を引き出さなきゃいけけない時だ、琴子はあれでもしっかりしてるから、大丈夫だと圭吾は言う。
その頃、琴子はチンピラに襲われていたが、そんな琴子を雄介が助ける。雄介は琴子を「なすび」に連れて行く。琴子を見たタカは、柳子の妹だと雄介に言う。琴子の傷の手当てをしながら、タカは落ち着いたら屋敷に連絡すると言う。琴子は家に帰りたくないと泣きじゃくる。一也が「なすび」に来た。一也にすがりついて、柳子が憎いと泣く琴子。
一也は朝倉家を訪ねて行き、琴子は「なすび」で預かっている、琴子は柳子の使いに出て酷い目に遭ったと言う。すぐ琴子を迎えに行く言う柳子を止める一也。
「あんたに会えば、彼女の心が荒れる」
と。そんな一也に、狙いは金かと圭吾は言う。お金のことばかり言う圭吾と柳子に、亡き景清の
「誇りを持って生きよ」
という言葉はどこに受け継がれているのかと一也は言う。
「柳子さん、今ならまだ間に合う。目を覚ませ。目を覚ましてその姿をじっと鏡に映してみろ」
と言い一也は去って行く。一也の言葉は深く柳子の心に突き刺さったが、朝倉家の名誉の為には引き返せないと柳子は思う。
柳子は琴子を迎えに、「なすび」を訪ねて行くが、琴子は激しく柳子を拒否する。柳子は辛い目に会わせて済まなかったと謝る。そんな柳子に、自分の身代わりに行かせたと琴子は言う。
「お姉様、片岡とご自分を提供なさる約束をしてらしたんですってね」
「そんなこと間に受けたの。貴方、私がそんな女だと思ってるの」
「ええ、思ってるわ。お金の為なら何でもなさる夜叉夫人ですもの」
と琴子は冷たく言う。二度と柳子の顔を見たくない帰ってくれと言う。帰ろうと琴子の腕を掴んだ柳子を、触らないでと突き飛ばす琴子。
姉と妹肩を寄せ合って生きて来た絆が今ぷっつりと断ち切られたのを、二人は互いに感じ取っていた。
うーん、とうとう琴子とも決定的に敵対してしまいましたね。あれほど姉思いで、かつては柳子と一也の橋渡し的な協力もしてくれた琴子なのに。
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第45話
琴子に帰らないと言われた柳子は、しばらく琴子を預かって欲しいとタカに言い、お金を渡そうとする。何でもお金で解決しようとする柳子に、不快な気持ちを感じたタカはつい口を出すが、柳子と琴子の間の朝倉家の問題には、口を出すなと柳子は言う。
「なすび」を出た所で柳子は一也に会い、聖ミカエル教会に呼び出される。事業の為にお金の為に、実の妹までも犠牲にしなければいけないのかと、一也は柳子に聞く。立ち入らないで欲しいと柳子。何故それほどまでに金の亡者にならなければいけないのかと重ねて聞く一也。想像に任せると柳子。
「君は確か誇りの為だと言った。誇りを守り抜く為には金がいる、金は力だと」
「その通りですわ」
「本気でそう思っているのか。だとしたら、君はとんだ思い違いをしているぞ。亡き男爵がおっしゃった、誇りを持って生きろと。だが、その誇りとは金でもなければ力でもない。誇りとは人の心の中にあるものだ。心の中で大事に育んでいくもんだ」
と一也。
その通りだと思いますね。お金がないと誇りが守れないというのも、極論すぎます。
でも、いくら話し合っても分り合えない、華族にしかわからないと柳子は言う。自分を野良犬だと言いたいのかと一也。邪魔はしないで欲しい、一也が今でも景清に感謝の気持ちを持ち続けているなら、応援して欲しいと言う。
「でなければ、貴方でも誰でも容赦はしません。ごきげんよう」
と去って行く柳子。
「まて、柳子。目を覚ますんだ。今なら間に合う。目を覚ませ」
と一也は重ねて言うが、柳子は無言で去って行った。
やっぱり、柳子さんは昔とがらりと変ってしまいましたね。昔も華族の誇りを大事にしてたけどお金の亡者じゃなかったし。華族制廃止のせい?今や復讐に燃えていた頃の一也と、それを悲しみ止めたいと思っていた頃の柳子の立場が、完全に逆転してしまいましたね。
「なすび」でふさぐ琴子を、雄介は嫌なことは早く忘れろと言う。死んでしまいたいと思った琴子だが、死んだら負けたことになるから死ぬのは辞めたと言う。出来るだけ力になると、雄介。
琴子が帰って来ないのを、友達の別荘に行ったと貴久子に取り繕う柳子と圭吾。琴子があんな目に遭わされても、元を訴えることは出来ない柳子と圭吾。今に、元を今の地位から引きずり落し、取って代わると言う圭吾と柳子。
「琴子さんは私達と縁を切ると言っていました。でもそんなことはさせません。あの子にもいつかきっと分かる日が来ます。欲に満ちた人々の中で、誇りを持って生きることがどんなに大変なことか」
と柳子は言う。
琴子を励ます一也。雄介に出会ってなかったら、今どうなっていたのかわからないと一也。仕事に熱中していれば、嫌なことは忘れていられると一也は言う。タカから着物を借りて着替えた琴子は、「なすび」で働きたいと言う。柳子の世話にならずに、自分の力で働いて生きて行きたいと。でも、お嬢さん育ちの琴子は勝手が分からず、熱燗一本つけられない。落ち込む琴子に、覚えれば簡単だと励まし自ら教える雄介。
柳子達と雄介達が、多摩川堤防工事の入札で争っているということを知った琴子は、柳子達の金額が分かれば入札に勝てると思い、屋敷に戻る。突然帰ってきた琴子に、びっくりする柳子達。琴子が突然帰ったので、一也とタカも不思議に思う。
琴子は夜中に書斎に忍び込み、入札の金額を探る。柳子が入ってきて、一瞬机の下に隠れる琴子。景清の写真を見ながら、琴子は思う。
「お父様、ごめんなさい。お姉様と仲互いしてしまって。でも、私どうしても許せないの、お姉様が」
琴子が朝倉家を出て、一人立ちしようとするのはいいことだと思うけど、入札金額を盗もうとするのは、やり過ぎでは?柳子に見つからないかと、ハラハラします(^_^;)。卑怯な手を使って柳子達に勝ちたいとは、一也も雄介も思わないのでは?琴子さん。
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